映画『メアリと魔女の花』は、2017年にスタジオポノックの第1作目として公開されました。ジブリの遺伝子を受け継ぐ作品として大きな期待を集めましたが、その評価は賛否両論です。この記事では、『メアリと魔女の花』が「ひどい」と言われる理由について詳しく調査します。
映画『メアリと魔女の花』ひどいと言われる理由
『メアリと魔女の花』は2017年にスタジオポノックの第1作目として公開され、ジブリを継承する作品として期待されました。しかし、その評価は賛否両論で、SNS上では「ファンタジーの世界観が好み」「ジブリっぽさを上手く受け継いでいる」といった好意的な声がある一方で、「過去のジブリ作品のつぎはぎのよう」とオリジナリティの欠如を指摘する意見も。また、宮崎駿監督の『魔女の宅急便』と似たテーマを選んだため、『魔女宅』の要素が強すぎるという批判もあったようです。
スタジオポノックの誕生と『メアリと魔女の花』の制作背景
『メアリと魔女の花』は、元ジブリのスタッフが集まって設立したスタジオポノックによって製作されました。ジブリ風の絵柄は、スタッフの多くがジブリ出身であったのも大きな要因です。スタジオポノックは、2014年にスタジオジブリの制作部門が解散し、『かぐや姫の物語』を最後に休止状態になったことをきっかけに誕生しました。
プロデューサーの西村義明は、『かぐや姫の物語』の制作に全力を注ぎ、完成後に監督の米林宏昌に「今後も映画を作りたいか」と問われ、米林監督が制作の意思を示したため、西村はジブリを離れても映画制作を続けることを決意したといいます。
翌年、ジブリを退社した西村義明を中心に、米林宏昌など元ジブリのスタッフが集まり、アニメ制作会社「スタジオポノック」を設立しました。
『メアリと魔女の花』観客の期待と監督の意図
一部の観客は前情報を得ずに『メアリと魔女の花』を「ジブリの新作」と思って観たため、「ジブリクオリティを期待していたのに裏切られた」と感じたようです。これは、米林監督が理解しやすい物語を目指したとも言えます。
実際、『メアリと魔女の花』のストーリーは単純明快で、子供が主人公の子供向け作品です。2017年に公開された『メアリと魔女の花』の前後のジブリ作品には、『レッドタートル』(2016年)、『かぐや姫の物語』(2013年)、『風立ちぬ』(2013年)などがあり、これらは大人向けの作品が多かったため、米林監督は子供向けのシンプルで理解しやすい物語を目指したのかもしれませんね。
『メアリと魔女の花』と『魔女の宅急便』の比較と批判
『メアリと魔女の花』に対する批判の中で最も多いのは、「『魔女宅』のパクリでは?」というものです。米林監督がなぜ比較されることが予想される「魔女宅」と同じ題材を選んだのか疑問に思う人もいます。ポスタービジュアルには「魔女、ふたたび」と書かれており、『メアリと魔女の花』が『魔女の宅急便』を意識していることが明示されています。
実際、メアリの大叔母シャーロットと家政婦のバンクスは、キキがニシンのパイを届けるお屋敷の老婦人と家政婦を彷彿とさせます。『魔女の宅急便』は、米林監督と西村プロデューサーが子供の頃に公開されたジブリ映画であり、西村は「今の21世紀の子供たちにとっての『魔女の宅急便』となる作品を作りたい」と考えていたそうです。しかし、『メアリと魔女の花』には「魔女宅」にはない激しい戦闘シーンもあり、この点ではむしろ『ハウルの動く城』を思わせる部分もあります。
最後に
『メアリと魔女の花』が「ひどい」と言われる理由についてまとめると、ジブリ作品と比較されることが多く、特に『魔女の宅急便』との類似性が批判の一因となっています。また、ジブリクオリティを期待していた観客にとっては、オリジナリティの欠如やストーリーの単純さが不満の原因となっているようです。
しかし、スタジオポノックのスタッフがジブリ出身であることや、子供向けの理解しやすい物語を目指した米林監督の意図を理解することで、異なる視点から作品を楽しむこともできるでしょう。『メアリと魔女の花』が「ひどい」と感じるかどうかは、観る人の期待や視点による部分が大きいのかもしれません。