2018年に放送された青春アニメ『宇宙よりも遠い場所』(通称:よりもい)。女子高生4人が南極を目指すという斬新なストーリーで話題となりました。
国内外で「泣ける名作」として高く評価される一方で、「正直そこまで面白くない」「途中で見るのをやめた」という声も少なくありません。なぜこれほど評価が分かれるのでしょうか。
今回は、この作品が「宇宙よりも遠い場所 つまらない」と言われる理由と、逆に絶賛される理由の両方を詳しく調査してみました。
『宇宙よりも遠い場所』の基本情報
まずは作品の概要を確認しておきましょう。南極という過酷な舞台で、少女たちが友情と成長を重ねていく感動の青春物語。『宇宙よりも遠い場所』は、現実離れした挑戦を通じて心の距離を縮める、強い絆の軌跡を描いています。
制作背景とあらすじ
『宇宙よりも遠い場所』は、マッドハウス制作による全13話のオリジナルアニメです。監督はいしづかあつこさん、脚本は花田十輝さんが担当しました。
物語は、群馬県に住む女子高生・玉木マリ(キマリ)が主人公。変わり映えしない日常に物足りなさを感じていた彼女が、南極で消息を絶った母の足跡を追う小淵沢報瀬(しらせ)と出会ったことから始まります。
その後、高校を中退した三宅日向(ひなた)と、芸能活動で孤独を感じていた白石結月(ゆづき)も加わり、4人は民間の南極観測隊に同行することになります。
高評価の実績
この作品は数々の賞を受賞しており、2018年にはニューヨーク・タイムズの「最も優れたテレビ番組」海外部門の10選にも選ばれました。アニメファンからも「青春アニメの最高傑作」と評価されることが多いです。
宇宙よりも遠い場所が「つまらない」と感じる理由
しかし、すべての視聴者がこの作品を高く評価しているわけではありません。
非現実的な設定への違和感
最も多く挙げられるのが、「高校生が南極に行く」という設定への疑問です。「未成年が観測隊に同行するなんて現実的じゃない」「保護者や学校が許可するわけがない」といった声が聞かれます。
リアリティを重視する視聴者にとって、この設定は物語への没入を妨げる原因となってしまうのです。
序盤のテンポの遅さ
ストーリー展開についても賛否が分かれています。序盤から中盤にかけて、旅の準備や仲間集めに多くの時間が費やされ、実際に南極に出発するのは物語の後半になってからです。
「もっとスピーディな展開を期待していた」「日常シーンが多すぎて退屈」と感じる視聴者も一定数存在します。
キャラクターへの共感の難しさ
登場キャラクターに対する評価も大きく分かれています。特に報瀬の「ざまあみろ」というセリフや、キマリの親友めぐみの言動に対して「わがまま」「見ていてイライラする」といった否定的な意見も見られます。
キャラクターの人間臭さが魅力である一方で、その生々しさが一部の視聴者には受け入れられない場合があるようです。
感動演出への抵抗感
「泣かせようとする演出がわざとらしい」「感情を操作されているようで不快」という声もあります。感動的なシーンが続くと、逆に冷めてしまうという視聴者もいるのです。
高評価される理由
宇宙よりも遠い場所がつまらないと言われる一方、この作品を絶賛する声も非常に多いです。
丁寧な心理描写
4人の少女たちの心の変化が、時間をかけて丁寧に描かれている点が高く評価されています。キマリの「変わりたい」という想いから始まり、仲間との出会いを通じて成長していく過程は、多くの視聴者の共感を呼びました。
報瀬もまた、母を失った悲しみを抱えながらも、仲間との絆を深めていく姿が感動的に描かれています。
リアルな南極描写
国立極地研究所の協力により、南極の環境や観測隊の活動がリアルに再現されています。この細部へのこだわりが、作品に説得力を与えています。
極限の環境だからこそ浮かび上がる人間の強さや脆さが、物語に深みを加えているのです。
自然な感動の積み重ね
感動シーンも、突発的なものではなく、これまでの関係性や感情の蓄積から自然に生まれています。報瀬が母のパソコンを開くシーンなど、派手な演出に頼らない静かな感動が多くの視聴者の心を打ちました。
青春テーマの普遍性
「自分を変えたい」「一歩踏み出したい」という想いは、多くの人が経験する普遍的な感情です。南極という特殊な舞台を通じて、そうした青春の葛藤が描かれているため、年齢を問わず共感できる作品になっています。
評価が分かれる理由
なぜこれほど評価が分かれるのでしょうか。作品の受け止め方は人それぞれ「宇宙よりも遠い場所」が賛否両論を呼ぶのは、視聴者の価値観や感受性が作品の印象に大きく影響するからです。
視聴スタイルの違い
テンポの遅さを「丁寧な描写」と受け取るか「退屈」と感じるかは、視聴者のスタイルによって大きく変わります。じっくりと登場人物の心情を味わいたい人には刺さりますが、スピーディな展開を求める人には物足りなく感じられるのでしょう。
フィクションへの許容度
「高校生が南極に行く」という設定を、夢のある冒険として受け入れられるか、現実味のない設定として拒否するかも、視聴者の価値観によって変わってきます。
感動への感受性
感動的なシーンに対する反応も個人差が大きいです。自然に涙があふれる人もいれば、演出が透けて見えてしまって冷めてしまうという人もいます。
まとめ
『宇宙よりも遠い場所』は、確かに評価が大きく分かれる作品です。しかし、それは作品が視聴者の心に強く働きかけるからこそ起こることとも言えるでしょう。
「宇宙よりも遠い場所 つまらない」と感じた人も、その理由を深く考えてみると、作品の特徴や自分の価値観について新しい発見があるかもしれません。
一方で、この作品を心から愛する人たちの声も決して無視できません。丁寧な心理描写や青春の普遍的なテーマは、確実に多くの人の心を動かしています。
最終的には、自分の感性を信じて判断するのが一番です。もし迷っているなら、まず数話だけでも観てみることをおすすめします。あなたにとって特別な作品になるかもしれませんし、そうでなくても、なぜ多くの人に愛されているのかを理解するきっかけになるはずです。