2017年に公開されたディズニーの実写映画『美女と野獣』は、エマ・ワトソンがベル役を演じることで大きな話題となりました。世界興行収入ではディズニー実写映画2番目の記録を誇る大ヒット作品でありながら、一部では美女と野獣の実写「ひどい」「つまらない」という厳しい声も聞かれます。
果たして本当にひどい作品なのでしょうか？今回は実際の口コミや評価、キャスト情報を詳しく調べてみました。
『美女と野獣』の実写が「ひどい」と言われる理由
多くのファンに愛される一方で、なぜ批判的な意見が生まれているのでしょうか。
ストーリーやキャラクターに共感しにくい
原作アニメから大きく変更されていない部分が多いものの、細かなプロット展開に物足りなさを感じる観客もいました。特にベルの心境変化が分かりにくく、野獣への気持ちが変わっていく過程が十分に描かれていないという声が上がっています。
129分という長い上映時間にもかかわらず、主人公の心理描写が浅いと感じる方もいるようです。一方で野獣側の変化には時間を割いているため、バランスの問題を指摘する意見もありました。
吹き替え版への不満
日本語吹き替え版では、ミュージカル俳優を中心とした実力派キャストが起用されました。しかし、野獣役の山崎育三郎さんの声が意図的に低く調整されていたことで、違和感を覚えた観客もいたようです。
また、歌詞の翻訳についても賛否が分かれました。字幕版と吹き替え版で歌詞の内容が大きく異なっていて、JPOP寄りの歌唱法に馴染めない方もいました。
全体的に暗い印象
ディズニー映画に明るく華やかなイメージを期待していた観客にとって、実写版の重厚で暗めの演出は期待とのギャップを生んだようです。最後まで重たい雰囲気が続き、想像していた楽しい雰囲気とは違ったという感想も見られました。
エマ・ワトソン版と他の実写版の違い
『美女と野獣』は過去にも何度か実写化されており、それぞれ異なる魅力を持っています。
エマ・ワトソン版の特徴
2017年のディズニー版は、1991年のアニメ映画を忠実に再現することに重点を置いています。ミュージカルナンバーはすべて起用され、原作ファンにとっては懐かしい楽曲を実写で楽しめる仕上がりになりました。
エマ・ワトソン演じるベルは、現代的で知的な女性として描かれています。彼女自身が国連の親善大使を務めるなど社会活動にも積極的な人物であり、その人格がベルのキャラクターにも反映されているのが特徴的です。
フランス版との比較
2014年公開のフランス版『美女と野獣』とは大きく異なるアプローチが取られています。フランス版は原作小説により忠実で、野獣になった理由や背景がより詳細に描かれました。
レア・セドゥが演じるベルは少女と大人の女性らしさを併せ持つキャラクターとして描かれ、ミュージカル要素は一切ありません。運命的な愛がテーマとなっており、神話的な要素が強い作品に仕上がっています。
実際の口コミ・評価を検証
SNSや映画レビューサイトには、様々な意見が寄せられています。
批判的な意見
「アニメ版で十分だった」「オリジナル要素が少なすぎる」といった声があります。実写化にあたって新しい要素を期待していた観客にとっては、物足りなさを感じる内容だったようです。
また、「行き過ぎたポリコレ要素が気になった」という意見も見られました。ガストンの側近ル・フウのキャラクター設定について、世界観に合わないと感じる方もいたようです。
好評な意見
一方で絶賛する声も多数あります。「エマ・ワトソンの美しさと演技力が素晴らしい」「ミュージカルシーンが圧巻」「ロマンティックで感動的」といったポジティブな評価が目立ちます。
特にダンスシーンの美しさや、城の豪華な装飾、衣装の美しさについては多くの観客が称賛しています。原作への愛とリスペクトを感じられる作品として高く評価する声も少なくありません。
キャスト紹介
魅力的なキャストたちの演技も見どころの一つです。
エマ・ワトソン（ベル役）
『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー役で世界的に有名になったエマ・ワトソン。知的で強い意志を持った現代的な女性を演じ、多くの女性から支持を集めています。
彼女の演じるベルは、読書を愛し、自分の意見をしっかり持った独立心の強い女性として描かれました。美しさだけでなく、内面の強さも表現した素晴らしい演技を見せています。
ダン・スティーヴンス（野獣役）
イギリスの俳優ダン・スティーヴンスが野獣を演じました。CGIを使った野獣の姿は迫力がありながらも、どこか優しさを感じさせる仕上がりになっています。
繊細で知的な野獣を演じ、ベルとの関係性の変化を丁寧に表現しました。人間に戻った後の王子としての姿も魅力的です。
その他のキャスト
ガストン役のルーク・エヴァンス、ル・フウ役のジョシュ・ギャッド、ポット夫人役のエマ・トンプソンなど、実力派俳優が脇を固めています。家具に変えられた使用人たちの声優陣も豪華で、それぞれのキャラクターに命を吹き込んでいます。
日本語吹き替え版キャスト
日本語版も見逃せない魅力があります。
主要キャストの吹き替え
ベル役は昆夏美さん、野獣役は山崎育三郎さんが担当しました。どちらもミュージカル界で活躍する実力派で、歌唱力の高さが光ります。
ガストン役の吉原光夫さん、ポット夫人役の岩崎宏美さんなど、ベテラン声優陣も参加しており、安心して楽しめるキャスティングとなっています。
まとめ
調査の結果、『美女と野獣』の実写が「ひどい」と評価する声は確かに存在しますが、それは全体から見ると少数派であることが分かりました。多くの観客が美しい映像美や音楽、キャストの演技を高く評価しています。
批判の多くは期待値の高さからくるものや、個人の好みの違いによるものです。アニメ版とは異なる魅力を持った作品として、多くの人に愛され続けている事実は変わりません。
まだ観ていない方は、先入観を持たずに一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。きっと新たな発見があるはずです。
