『デッドデッドデーモンズデデデデストラクション』はつまらない?そう言われる理由は?

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『デッドデッドデーモンズデデデデストラクション』はつまらない?そう言われる理由は?

浅野いにおの話題作『デッドデッドデーモンズデデデデストラクション』(通称:デデデデ)。映画化・アニメ化もされた本作ですが、SNSでは「つまらない」「意味不明」といった声も少なくありません。実際、『デッドデッドデーモンズデデデデストラクション』はつまらないと言われているのかについて調べてみました。

目次

複雑すぎる物語構造が理解しにくい?

『デッドデッドデーモンズデデデデストラクション』がつまらないと評価される最大の理由は、その複雑な物語構造にあるようです。

時系列の入り組んだ展開

デデデデは単純な時系列では進みません。タイムリープやタイムシフターといった要素が絡み、過去と現在、そして未来が入り混じって描かれます。門出とおんたんの関係性も、複数の時間軸で展開されるため、初見では混乱してしまう読者が多いのようです。

特に中盤から後半にかけて、伏線が一気に回収されていく展開は、それまでの情報を整理できていないと置いてけぼりになってしまいます。「読み返さないと理解できない」というのは、裏を返せば「一度読んだだけでは楽しめない」ということでもあるのです。

SF要素と日常描写のバランス

巨大な母艦が東京上空に停滞するという非日常的な設定でありながら、物語の大部分は女子高生たちの日常が淡々と描かれます。このギャップが本作の魅力である一方、「結局何が描きたいのか分からない」という印象を与えてしまうのでしょう。

侵略者という脅威が存在するのに、登場人物たちはゲームをしたり友達とおしゃべりしたり。この日常の描写に退屈さを感じる読者がいるのも事実です。

結末の曖昧さが賛否両論を生んでしまう?

デデデデの結末は、明確な答えを提示しません。

解釈を読者に委ねる終わり方

最終巻では、人類がほぼ消滅した世界で門出とおんたんが再会するシーンで幕を閉じます。しかし、その後の二人がどうなるのか、世界はどう再生されるのか、具体的には描かれていません。

この「読者に解釈を委ねる」スタイルは、深く考察したい人には魅力的ですが、スッキリした結末を求める読者には不満が残るのかもしれません。「結局どうなったの?」という疑問だけが残り、消化不良のまま終わってしまったと感じる人が多いのです。

伏線の未回収問題

物語には数多くの伏線が張られていますが、すべてが明確に回収されるわけではありません。政府の陰謀、侵略者の真の目的、おんたんの正体など、謎めいたまま終わるところも多いのです。

この「あえて説明しない」姿勢は作家性の表れともいえますが、「投げっぱなし」と受け取られることも少なくありません。

キャラクターへの感情移入が難しい

主人公たちに共感できるかどうかも、評価が分かれるポイントです。

門出とおんたんの関係性

門出とおんたんの友情が物語の軸となっていますが、二人の関係性は複雑で、時に理解しづらい部分があります。おんたんの突飛な行動や「はにゃにゃフワー」といった独特な言動は、可愛いと感じる人もいれば、ただ不可解に映る人もいるでしょう。

また、門出が青共闘に関与していく展開も、その心理変化が丁寧に描かれているものの、共感できないという声があります。

サブキャラクターの描写不足

物語には多くの登場人物が出てきますが、全員に均等な描写時間が与えられているわけではありません。キホは早々に退場し、その他のクラスメイトたちも印象が薄いまま終わってしまうケースがあります。

群像劇としての側面を持ちながら、誰に焦点を当てているのか分かりにくく、感情移入しづらいのです。

浅野いにお作品特有の作風

『デッドデッドデーモンズデデデデストラクション』がつまらないという人の中には、浅野いにお作品そのものが苦手という方もいます。

救いのない展開と鬱展開

浅野作品には『おやすみプンプン』に代表されるように、読者を精神的に追い詰めるような展開が多く見られます。デデデデでも、キホの死や門出の精神的崩壊など、辛い場面が続きます。

こうした重苦しい雰囲気が全編を通して漂っているため、「暗すぎて読むのがしんどい」と感じる人がいるのも無理はありません。

独特の絵柄とコマ割り

浅野いにおの繊細な絵柄は評価が高い一方で、好みが分かれる部分でもあります。リアルな背景描写と記号的なキャラクター表現のギャップ、実験的なコマ割りなど、読みにくさを感じる読者もいるようです。

メディアミックスによる混乱

本作は原作漫画、映画、アニメとメディア展開されていますが、それぞれで描写や結末が異なります。

各メディアでの違い

映画版は原作に忠実ながらも独自の解釈を加えており、特にラストシーンが異なります。アニメ版もまた、時系列の構成や演出が原作とは違うのです。

どれから触れるかによって印象が大きく変わるため、「原作を読んだら全然違った」「映画の方が良かった」など、評価が割れる原因にもなっています。

それでも評価される理由は

では、なぜこの作品が高く評価され、多くのファンを獲得しているのでしょうか。

『デッドデッドデーモンズデデデデストラクション』がつまらないと感じる理由は、見方を変えれば作品の深みや独自性につながっています。複雑な構造だからこそ何度も読み返したくなる、明確な答えがないからこそ考察が盛り上がる、重い展開だからこそ日常の尊さが際立つのです。

本作は「異常が常態化する社会」を通して、現代を生きる私たちへの問いかけを投げかけています。戦争や災害が遠くの出来事になってしまう感覚、情報に麻痺していく日常。そうしたテーマに響く人にとっては、かけがえのない作品となっているのです。

まとめ

『デッドデッドデーモンズデデデデストラクション』がつまらないと言われる理由は、複雑な物語構造、曖昧な結末、重苦しい雰囲気など、読者を選ぶ要素が多いためです。しかし、それらは同時に作品の個性でもあり、深く読み込むほどに味わいが増していく作品ともいえます。

万人受けする作品ではないかもしれませんが、ハマる人にはとことんハマる。それがこの作品の魅力なのかもしれません。

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