『鬼滅の刃』の興行収入がずるいと言われる理由は?各劇場版の興行収入も調査

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『鬼滅の刃』の興行収入がずるいと言われる理由は?各劇場版の興行収入も調査

日本の映画史を塗り替えた『鬼滅の刃』シリーズ。しかし、その圧倒的な記録に対して「ずるいのでは」という声も上がっています。今回は、『鬼滅の刃』の興行収入がずるいと言われる理由と各作品の興行成績について詳しく見ていきましょう。

目次

『鬼滅の刃』劇場版の興行収入を徹底調査

まずは、話題となった2つの劇場版の興行成績を確認していきます。

無限列車編の興行収入

2020年10月に公開された『鬼滅の刃 無限列車編』は、新型コロナウイルスの影響下での公開にもかかわらず、驚異的な数字を記録しました。

公開初週3日間で興行収入46.2億円、動員342万人という滑り出しを見せ、わずか10日目で興行収入100億円を達成しています。最終的には累計400億円を突破し、日本歴代興行収入1位という偉業を成し遂げたのです。この記録的なヒットは、当時の映画業界に大きな衝撃を与えました。

無限城編の驚異的なスタート

2025年7月18日に公開された『鬼滅の刃 無限城編』は、前作をさらに上回る勢いでスタートを切りました。

公開初日だけで興行収入約16.5億円、観客動員数115万人超という記録を樹立。公開3日間では約55億円という数字を叩き出し、前作の初週成績を上回る結果となりました。

さらに驚くことに、映画史上最速となるわずか8日で興行収入100億円を突破したのです。前作より2日も早い達成でした。公開25日間で220億円超、公開35日間で280億円超、そして公開73日間では350億円を突破し、国内の興行収入ランキング歴代2位を記録しています。

全国443館という大規模な上映体制も、この快進撃を支える要因となっているようです。

なぜ「ずるい」と言われるのか?

ここからは、鬼滅の刃の興行収入がずるいと指摘されるのかについて探っていきます。

特典配布がリピーターを生んだ

映画館では段階的に異なる来場者特典を配布していました。コレクター心をくすぐるこの施策により、全ての特典を集めたいファンが何度も劇場に足を運ぶことになったのです。

熱心なファンの中には10回以上鑑賞したという人もいて、SNSでその様子が拡散されました。「リピーターが多すぎるのでは」という声が上がり、興行収入の公平性を疑問視する意見につながっていきました。

上映期間の長さも話題に

通常の映画なら数週間から数ヶ月で上映が終わることが多い中、『鬼滅の刃』は異例の長期上映が行われました。

テレビ放送後にも再上映されるなど、収入を伸ばし続ける機会が他の作品より多かったことも、「ずるい」という印象を持たれる一因となったようです。

公開時期の有利さ

無限列車編が公開された2020年10月は、コロナ禍で多くの大作映画が延期や中止になっていた時期でした。

観客が楽しめる新作映画が極端に少ない状況で、競合作品がほとんど存在しなかったことが有利に働いたと指摘する声もあります。「他に観る映画がないから」という理由で足を運んだ人も一定数いたと考えられるのです。

本当に「ずるい」のか?客観的に検証

批判の声がある一方で、冷静に見れば疑問も浮かんできます。

特典商法は珍しくない

実は、来場者特典の配布は映画業界では一般的な手法です。『名探偵コナン』シリーズや『呪術廻戦』など、多くのアニメ映画で週替わりの特典配布が行われています。

『鬼滅の刃』だけが特殊な戦略を取ったわけではありません。むしろ、その効果を最大限に引き出すことに成功したというのが正確な評価でしょう。

作品の質が支持された証拠

何度も劇場に通いたくなるのは、それだけ作品に魅力があるからです。

制作会社ufotableによる圧倒的な作画クオリティ、心を揺さぶるストーリー展開、迫力ある戦闘シーンなど、高い完成度が評価されています。「特典がなくても感動した」「内容だけで十分観る価値がある」という声も多く見られました。

リピーターの存在は、作品が愛された結果であり、人気の証といえるのではないでしょうか。

家族で楽しめる内容が強み

『鬼滅の刃』は、激しいバトルシーンがありながらも、家族の絆や兄妹愛といった普遍的なテーマが描かれています。

子どもから大人まで幅広い年齢層が共感できる内容となっており、親子で一緒に観に行くケースが非常に多かったのです。家族連れの動員は1人当たりの単価も高くなりやすく、興行収入を押し上げることとなりました。

ファンはどう受け止めているのか

SNS上では、鬼滅の刃の興行収入がずるいという声に対するファンの反応も見られます。

多くのファンは「努力の成果を否定しないでほしい」と感じているようです。原作者、アニメスタッフ、声優など、多くの人の努力が積み重なって生まれた作品です。それを「ずるい」の一言で片付けられることに、違和感を覚える人が少なくありません。

一方で、「批判されるほど話題になったのは成功の証だ」とポジティブに捉える意見もあります。どんな大ヒット作にも必ず批判の声は存在するもの。それすらも注目度の高さの表れだという見方です。

なぜここまでヒットしたのか

改めて、『鬼滅の刃』がここまでの記録を打ち立てた理由を整理してみましょう。

原作漫画は累計発行部数1億部を超える大ヒット作品でした。その人気に加えて、テレビアニメ第1期の続きが映画で観られるという構成が、ファンの劇場への足を強く促しました。

また、漫画完結後もテレビアニメが継続的に制作され、新たなファンを獲得し続けてきたことも大きな要因です。2025年の無限城編は物語のクライマックスに向けた重要な章ということもあり、期待値が非常に高い状態で公開を迎えました。

まとめ

『鬼滅の刃』の興行収入がずるいと言われる背景には、特典商法やリピーター、公開時期など複数の要素が絡んでいます。

しかし、これらの手法は他の映画でも広く用いられているものです。『鬼滅の刃』が特別に不公平な方法を取ったわけではありません。むしろ、正攻法のプロモーションを効果的に実施し、作品の質の高さで多くの人の心を掴んだ結果といえるでしょう。

批判の声も人気の裏返しであり、それだけ社会に大きな影響を与えた証拠です。日本の映画史に刻まれたこの記録は、制作陣とファンが共に作り上げた正当な成果なのです。

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