ポリコレとは、「ポリティカル・コレクトネス(Political Correctness)」の略で、特定の人種、性別、宗教、職業、障がいなどに対する差別や偏見を排除し、公正で中立的な表現を使用することを指します。
ポリコレ映画がつまらないって本当?
ポリコレ映画が一部の視聴者から「つまらない」と評価される理由には、具体的な要因があります。以下に、その3つの主要な理由を詳しく説明します。
①ポリコレ映画がエンタメト性に与える影響
映画は視聴者に現実からの一時的な逃避と異なる世界への没入を提供します。しかし、ポリコレ映画は社会問題を強調するため、エスケープ体験が薄れることも。これにより、映画のエンタメ性が薄れて、視聴者はつまらなく感じるのです。
②ポリコレ映画がキャラクター共感に与える影響
映画の魅力は視聴者がキャラクターに共感し、その感情を共有できることでしょう。しかし、ポリコレ映画では、視聴者が違和感を覚えるキャラクターが登場することも。観ている方は、キャラクターに感情移入しにくくなり、映画の体験が薄れる傾向がみられます。
③ポリコレ映画が視覚的エンタメに与える影響
映画は視覚的なエンタメであり、観る側は斬新さや驚きを求めます。しかし、ポリコレ映画では、差別的な表現をなるべく避けるために表現に制限が課され、物語の深みが失われることも。これにより、刺激を求める視聴者にとっては物足りなさを感じる傾向があるでしょう。
ポリコレ映画の代表作を紹介!
視聴者も馴染みの作品が、ポリコレであることをご存知でしょうか?次では、ポリコレ作品を2つ紹介します。作品の捉え方は人それぞれですが、あなたはどんな感想を抱きますか。
①エターナルズ (2021年)
2020年公開のマーベル映画『エターナルズ』は、同名コミックを原作とし、太古から人類を見守ってきた10人の守護者たちの活躍を描いたスーパーヒーロー映画です。MCU初のゲイヒーローやアジア系、メキシコ系女性、聴覚障害を持つヒーローなど、多様性豊かなキャラクターが登場。マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギは、この多様性を「人類の縮図」として目指したと述べています。評価は、「多様性アピールが強すぎる」「ポリコレ意識が強すぎて違和感がある」といった批判の声がある一方で、「個性豊かなキャラクターが魅力的」「多様なキャラクターがいるのがエターナルズの特徴」といった肯定的な意見も。
②ピノキオ (2022年)
ディズニーのアニメ映画『ピノキオ』(1940年)は、イタリアの童話『ピノッキオの冒険』を原作としています。80年後に実写化された『ピノキオ』(2022年)は、ロバート・ゼメキスが監督を務め、トム・ハンクスがゼペットじいさんを演じたファンタジー映画です。1940年のアニメ映画では、ブルー・フェアリーはブロンドヘアで青い目の白人女性として描かれていましたが、実写版では黒人女性のシンシア・エリヴォがキャスティング。この変更に対して、「ポリコレ版の別物って感じ」「無意味なポリコレの押し付けにうんざり」といった意見がありました。しかし、原作の童話ではブルー・フェアリーはターコイズの髪と黒い瞳の女性として描かれており、「金髪碧眼の白人にしたのはディズニーである」と主張する声も多くあったとのこと。
最後に
ポリコレ映画がつまらないと感じるかどうかは、視聴者の個々の価値観や期待によるところが大きいです。多様性や公正な表現を重視する視聴者にとっては、ポリコレ映画は非常に魅力的で意義深いものとなるでしょう。一方で、エンタメ性や物語の深みを重視する視聴者にとっては、物足りなさを感じることもあるかもしれません。映画の楽しみ方は人それぞれですので、自分に合った作品を見つけることが大切です。ポリコレ映画も一つの選択肢として、視野を広げて楽しんでみてはいかがでしょうか。