2021年6月に開幕した劇団四季の「アナと雪の女王」。世界的な大ヒット映画の舞台化ということで、多くの観客が期待を寄せて劇場に足を運んでいます。しかし、一部では「思ったより面白くなかった」「期待はずれだった」といった声もあるようです。なぜ素晴らしい作品であるはずのアナ雪に対して、批判的な意見が出てしまうのでしょうか。今回は、劇団四季のアナ雪がつまらないと言われる理由を探るとともに、作品を最大限に楽しむためのポイントや座席選びのコツをご紹介します。
劇団四季のアナ雪がつまらないと言われる理由
劇団四季の『アナと雪の女王』つまらないと言われる理由について詳しく見ていきます。
①期待値の高さによる反動
劇団四季のアナ雪に対する辛口コメントの背景には、作品への期待値の高さがあります。映画版は全世界で大ヒットし、アニメ映画の興行収入記録を塗り替えました。さらに劇団四季という日本を代表する劇団が手がけるということで、観客の期待は自然と高まっていました。しかし、どんなに素晴らしい作品でも、すべての人が同じように感動するわけではありません。期待が高すぎると、実際に観劇した時に「思っていたのと違う」と感じてしまう人が出てくるのは避けられないことです。
②アニメと舞台の表現方法の違い
映画版のアナ雪に慣れ親しんだ観客にとって、舞台独特の表現に戸惑いを感じるケースもあります。特に、嵐や吹雪を人間が演じる場面では、「現実味がない」「冷めてしまう」といった感想を持つ人もいるようです。アニメでは自然に表現できた魔法の世界を、生身の人間が演じる舞台で再現することの難しさが、ここに現れているのかもしれません。
③楽曲の配置バランス
劇団四季のアナ雪では、第一幕に有名な楽曲が集中しています。「生まれて初めて」「扉あけて」「レット・イット・ゴー」など、映画でも印象的だった楽曲が立て続けに歌われるため、観客は大いに盛り上がります。しかし、第二幕に入ると聞き馴染みのある楽曲が少なくなり、新曲が多くなります。このバランスの違いが、一部の観客には物足りなさを感じさせる要因となっているようです。
④アナのソロ場面への不満
特に指摘されることが多いのが、アナの代表的なソロ曲「生まれて初めて」の演出です。この楽曲は映画版でも印象的なシーンですが、舞台版では演出が地味に感じられるという声があります。アナの喜びや期待感、ワクワクした気持ちが十分に伝わってこないと感じる観客もいるようで、エルサの「レット・イット・ゴー」の圧倒的な演出と比較されることも多いです。
劇団四季アナ雪の本当の魅力
映画とは異なる魅力を、詳しくご紹介します。
①最新技術を駆使した舞台演出
劇団四季のアナ雪最大の見どころは、なんといっても最新技術を駆使した舞台演出です。プロジェクションマッピングを使って、舞台全体に雪と氷の世界を表現する技術は圧巻の一言。特に床面への映像投影は、観客をアナ雪の世界に引き込む効果を発揮しています。二階席からでなければ見えない美しい氷の景色もあり、座席によって異なる楽しみ方ができるのも魅力です。
②劇団四季でも貴重な生オーケストラ
劇団四季の作品の中でも、生のオーケストラによる演奏が楽しめる作品は限られています。アナ雪はその貴重な作品の一つで、楽器のチューニング音から始まる本格的な演奏を堪能できます。生オーケストラと演者の歌声が織りなすハーモニーは、録音された音楽では味わえない迫力と感動が味わえます。特に第一幕フィナーレの「レット・イット・ゴー」は、観客席がどよめくほどの素晴らしさです。
③ミュージカル版オリジナル楽曲の魅力
舞台版では映画の楽曲に加えて、12の新曲が追加されています。中でも第二幕開幕の「ヒュッゲ」は、コメディ要素満載の楽しい楽曲として人気です。オーケンさんが登場するサウナのシーンは、観客との掛け合いもあり、劇場全体が一体となって楽しめる場面となっています。映画版では味わえない、舞台ならではの体験ができるのです。
④姉妹の絆をより深く描いた物語
舞台版では、エルサとアナの姉妹の絆がより丁寧に描かれています。特にエルサの心の葛藤は、映画版以上に深く掘り下げられており、大人の観客にも響く内容です。アニメ映画とは違った角度から姉妹愛を描くことで、年齢を問わず多くの人に感動を与える作品に仕上がっています。
劇団四季アナ雪を最大限に楽しむ座席選び
劇団四季の『アナと雪の女王』を存分に楽しむなら、二階席での観劇がおすすめです。舞台全体を使ったプロジェクションマッピングの演出は、広い視野で見ることでより迫力を感じられます。床面への映像投影や舞台装置の動きなど、細かな演出まで見逃すことなく楽しめるのが二階席の魅力でしょう。
具体的なおすすめ座席
二階席では以下の座席がおすすめです。
- 1列目~7列目(S席):最前列に近く、舞台全体が見やすい
- 8列目~15列目(A~C席):価格と見やすさのバランスが良い
一階席では以下の座席がおすすめです。
- 26列目~34列目(S席、一部A席):適度な距離感で全体が見渡せる
- 1列目~13列目のセンター寄り:演者の表情まで見たい方におすすめ
オペラグラスの活用
二階席からだと演者の表情が見えにくいという方は、オペラグラスの持参をおすすめします。舞台全体の演出を楽しみながら、気になる場面では演者の細かな表情まで観察できるため、より深く作品を味わえるでしょう。
まとめ
劇団四季の『アナと雪の女王』に対して「つまらない」という声があるのは、作品の人気の高さゆえに期待が膨らみすぎたことが一因かもしれません。
確かに映画とは異なる表現に戸惑いを感じる方もいらっしゃいますが、舞台ならではの魅力もたくさんあります。最新技術を駆使した演出、生オーケストラによる演奏、そして舞台版オリジナルの楽曲など、映画では味わえない感動が待っています。適切な座席選びをすることで、劇団四季の『アナと雪の女王』の魅力を最大限に堪能できるはずです。先入観を持たずに舞台独自の世界観を楽しみ、映画とは違った角度からアナ雪の物語を味わってみてください。きっと新たな発見と感動があなたを待っているでしょう。