2023年11月に公開された映画『法廷遊戯』は、King & Princeの永瀬廉さんが主演を務め、杉咲花さんや北村匠海さんなど実力派俳優が出演したことで大きな話題となりました。しかし、公開後には法廷遊戯はつまらないという厳しい評価も一部で見受けられます。果たして本当につまらない作品なのでしょうか?今回は、映画『法廷遊戯』の実際の評価や、つまらないと言われる理由について詳しく調査してみました。
映画『法廷遊戯』とは?
『法廷遊戯』は、弁護士でもある五十嵐律人さんのデビュー作を原作とした本格法廷ミステリー映画です。第62回メフィスト賞を満場一致で受賞した話題作でもあります。物語は、弁護士を目指すロースクール生の久我清義(永瀬廉)、幼馴染の織本美鈴(杉咲花)、そして天才的な頭脳を持つ結城馨(北村匠海)の3人を中心に展開されます。彼らが学生時代に行っていた「無辜ゲーム」という模擬裁判から始まった悲劇が、やがて現実の殺人事件へと発展する。
法廷遊戯がつまらないと言われる理由とは
映画『法廷遊戯』は、法律用語の多さや心理描写の不足、展開の緩慢さなどが理由で、一部の観客から「つまらない」と評価されることがあります。その背景を詳しく見ていきましょう。
1. 法律用語が多すぎる
最も多く挙げられるのが、専門用語の多さです。原作者が現役弁護士ということもあり、作中では本格的な法律用語が頻繁に登場します。「無辜」「冤罪」「再審請求」といった専門的な言葉が次々と出てくるため、法律に馴染みのない観客にとっては内容を理解するのが難しいようです。裁判シーンの、法廷での手続きや論理の展開が複雑で、理解が追いつかず戸惑う声が多く聞かれました。
2. 登場人物の心理描写が不足している
映画を観た人からは「キャラクターの感情が読み取りにくい」という指摘も目立ちます。特に3人の主人公たちの表情や仕草から、真意を汲み取るのが難しかったという意見が多数ありました。これは意図的な演出でもあるのですが、観客が登場人物に感情移入しにくく、結果として物語への没入感が薄れてしまったケースが多かったようです。「誰が何を考えているのか分からない」という状況が続くと、やはり退屈に感じてしまうのは仕方がないことかもしれません。
3. 前半部分の展開が緩慢
多くの観客が指摘するのが、映画前半のペースの遅さです。物語の核心に迫るまでに時間がかかりすぎ、断片的なエピソードが続くため「何が言いたいのかわからない」という状況が続きます。特に最初の1時間は、3人の過去の出来事や現在の状況説明が中心となるため、明確な事件の全貌が見えてこず、観客の集中力が途切れがちになってしまうようです。
4. 重すぎるテーマ
『法廷遊戯』では、児童養護施設での性的虐待、痴漢冤罪、自殺といった非常に重いテーマが扱われています。これらの内容は確かに現代社会の問題を鋭く描いているものの、娯楽映画として楽しみたい観客にとっては重すぎたという声もあります。「ポスターの印象とは全然違って、想像以上に重い内容だった」という感想も多く、期待していた内容とのギャップに戸惑った人も少なくありません。
一方で「面白い」という評価も
映画『法廷遊戯』は、ラストの衝撃的な展開や俳優陣の演技力、社会問題への鋭い視点などが評価され、「面白い」と絶賛する声も多く寄せられています。 その魅力を詳しく見ていきましょう。
1. 最後の大どんでん返しが圧巻
「つまらない」という評価がある一方で、「面白い」と絶賛する声も数多く聞かれます。特に多いのが、ラスト10分間の怒涛の展開を評価する声です。それまで散りばめられていた伏線が一気に回収され、真犯人や事件の真相が次々と明らかになる様子は、まさに圧巻の一言。「前半の退屈さを忘れるほどの衝撃的な結末だった」という感想が多数寄せられています。
2. 俳優陣の演技力が素晴らしい
永瀬廉さん、杉咲花さん、北村匠海さんの演技は、多くの観客から高い評価を得ています。特に杉咲花さんの狂気的な演技や、永瀬廉さんの繊細な表現力に絶賛の声が相次いでいます。「廉くんの死んでいく目、花ちゃんの狂気になっていく目、匠海くんの全てを見透かしている目。凄い映画に会えて嬉しい」という感想からも、演技の質の高さが伺えます。
3. 現代社会への鋭い問題提起
法律の専門知識を持つ原作者ならではの視点で、現代の司法制度の問題点や社会の矛盾を鋭く描いている点も高く評価されています。「真実が一番大切であるが、世の中そうなっていないのが現実だと改めて感じた」「加害者が無罪となり被害者が有罪となる、現代の法律の穴や闇を考えさせられた」といった深い感想も多く見られます。
4. 何度も観たくなる多層的な構造
物語を誰の視点で見るかによって全く違った印象を受けるという、多層的な構造も評価されています。「久我清義、織本美鈴、結城馨の誰に感情移入するかで、全く違う物語になる」という声もあり、一度観ただけでは理解しきれない奥深さが魅力だという意見もありました。
評価が分かれる理由
『法廷遊戯』の評価が大きく分かれる理由は、観客の期待や前知識の違いにあると考えられます。法律に興味がある人や、複雑なミステリーを好む人にとっては非常に面白い作品である一方、軽い気持ちで娯楽映画を楽しみたい人にとっては敷居が高すぎる内容だったのかもしれません。また、永瀬廉さんのファンの中でも、普段のイメージとは大きく異なるシリアスな役柄に戸惑った人もいたようです。
まとめ
映画『法廷遊戯』は「つまらない」という評価も一部ありますが、「面白い」「深い」という高い評価も数多く存在します。つまらないと感じる理由は主に、法律用語の多さや心理描写の不足、前半の展開の遅さなどが挙げられます。
しかし一方では、ラストの大どんでん返しや俳優陣の演技力、現代社会への鋭い問題提起などを評価する声も多くありました。結局のところ、『法廷遊戯』は観客の期待や前提知識によって評価が大きく左右される、好みが分かれる作品だと言えるでしょう。法廷ミステリーが好きな人や、重厚なドラマを求める人にとっては非常に価値のある作品であり、軽い娯楽を求める人には向かない可能性があります。興味を持たれた方は、ぜひ一度ご覧になって、自分なりの評価をしてみてはいかがでしょうか。